狂犬病ワクチン
当院では海外渡航者に対する狂犬病ワクチンの接種を行っています。
狂犬病とは
狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染している動物(イヌ、ネコ、キツネ、コウモリなど)に咬まれたり傷口をなめられたりすることで感染します。
潜伏期は通常1-3か月で、発病すると有効な治療法はなく、頭痛、発熱、えん下困難、けいれんなどがみられ、呼吸、循環不全でほぼ100%死亡します。
狂犬病は一部の国・地域を除いて全世界に存在しており、その多くがアジア、アフリカに分布しています。
海外では年間約5-6万人が狂犬病で亡くなっています。
2020年にはフィリピンで犬に咬まれ、日本へ帰国後発病し死亡した輸入症例もあります。
狂犬病は曝露前のワクチン接種が対策の基本です。狂犬病の感染リスクが高い地域に渡航する場合は、事前にワクチンを接種する「曝露前接種」が有効です。1か月以上の長期滞在者、滞在期間にかかわらず動物と接触する機会の多い方、奥地・秘境などへの渡航ですぐに医療機関にかかることができない方などは、渡航前の狂犬病ワクチンの接種が推奨されています。
なお、接種の有無に関わらず、渡航先で動物に噛まれたらまず直ちに傷口を石鹸で洗浄し、速やかに医療機関を受診することが大切です。
以下のページもご参照ください。
厚生労働省検疫所FORTH「狂犬病」
厚生労働省「狂犬病に関するQ&Aについて」
日本旅行医学会「狂犬病」
狂犬病ワクチンについて
使用ワクチン:ChiroRab(Chiron Behring製)
1.0 mLの用量を3回筋肉内接種します。
2回目は初回接種の7日後、3回目は初回接種の21日後または28日後に接種します。
90%の予防効果があります。
乳幼児から高齢者まで全年齢を対象に接種が可能です。
免疫持続が必要な場合、最初の3回の1年後に1回追加接種し、その後は5年毎に追加接種を行うことがWHOでは推奨されています。
ワクチンの安全性と副作用
接種部位の発赤、腫脹や痛み、倦怠感、頭痛などが起こる場合があります。ワクチンを接種してはいけないのは、過去に狂犬病ワクチンで重度の局所反応や全身性反応を起こした場合と発熱している患者です。
注意事項
国内で承認されている狂犬病ワクチンが手に入りにくいため、輸入ワクチンを使用します。輸入ワクチンのため、副反応が生じた時は国の救済措置、補償が適応されませんが輸入商社が提供する輸入ワクチン補償制度を利用できます。制度の利用には、裁判で輸入ワクチン接種による被害であることが認められる必要があります。輸入ワクチン補償制度以外は当院では補償できません。
料金
ワクチンの種類 | 料金 |
狂犬病ワクチン | 15,400円 |
お支払い方法
現金 or クレジットカード or 会社に請求書を送付
ご予約方法
▲母子手帳をお持ちの方はお手元にご準備の上、こちらよりご予約ください。